太陽牡牛座のひとりごと

私が小学生くらいの頃、プロフィール帳が流行っていた。

友だちに紙を渡し、誕生日や好きな物などを書き込んでもらってファイリングしていくようなものだ。

その中には大抵「好きなアーティスト」や「好きなお店」などを書く欄があり、私はそれが苦手だった。

 

 

突然ですが、あなたの好きな食べ物はなんですか?

 

そう聞かれた時、特定の食べ物や献立を答える方が多いのではないかと思う。

私はこれに答えるのが苦手だ。

嫌いな食べ物は明確なのですぐに答えられる。

 

好きな食べ物を考える時、例えば私はカレーが好きだとする。

カレーの中でも特に好きで毎日食べたいと思うカレーもあれば別にそこまででもないカレーもある、と私は思う。

そして好きなカレーとそこまででもないカレーの間に好きなオムライスや好きなハンバーグなどが存在していたりする。

またそれと同時にそこまででもないオムライスやハンバーグも存在していたりする。

そして私はわからなくなる。

この場合カレーが好きと一概に言ってしまうのは違うのではないか?(そしてオムライスやハンバーグが好きと言うのもまた違うのでは?)と思ってしまう。

 

好きなアーティストやブランドなどでもそういうことが起こる。

このアーティストのこの曲は好きだけど他はそんなに…だったり、このブランドのこの服は好きだけど…といったことがよくあって難しいなと思う。

 

ただ、最近ジャンルを問わず私の中でこれが好き!と思ったものを抽出していったら共通点がある気がしてきたのだ。

食べ物でも音楽でも香りでも絵でも核の部分の好みは同じなのでは?

私の中の感覚なので人に伝わるのかわからないが、それは初夏の風を感じるもの、透明感があるもの、濁りがなく緑や青みがかった色を感じるもの、春のような空気感を感じるもの、など。

 

たぶんこういうことを誰かに言っても伝わることはあまりないと思うが、私にとってはひとつの答えが見えた気がした。

ひと言で人に伝えるのは変わらず苦手だけど、もっともっとここのこれが好きと思うものに出会い続けたらそのうち人に伝わる何かが見つかる気がする。

自分の感覚に正直にもっと好きなものを集めていきたいと思った次第。